症例報告の掲載情報:
Tateishi, R, Nishimura, T, Tao, S. et al. Photon-Counting Detector Computed Tomography Depicts a Ventricular Tachycardia Substrate: Periaortic Septal Intramural Late Iodine Enhancement. J Am Coll Cardiol Case Rep. 2026年4月、31巻(15号)。https://doi.org/10.1016/j.jaccas.2026.107250
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ビジュアルサマリー PCD-CTにおけるLIEと不整脈基質の空間的関係 (A) 術前のフォトンカウンティング検出器CT画像と、ADAS 3Dソフトウェアを用いた3次元表示。赤い矢印は遅延ヨード造影を示す。(B) 等時相後期興奮マップ。分裂電位を伴う伝導ブロック線(黄色い矢印)が、右室流出路(RVOT)および左室流出路(LVOT)の傍大動脈中隔領域に認められ、遅延ヨード造影領域の辺縁と空間的に一致していた。Ao=大動脈、LIE=遅延ヨード造影、LV=左心室、LVOT=左室流出路、RV=右心室、RVOT=右室流出路、PA=肺動脈、PCD-CT=フォトンカウンティング検出器CT。
背景
近年の研究により、造影CTで認められる遅延造影は、心臓MRIの遅延ガドリニウム造影に対応することが示されている。しかし、高解像度フォトンカウンティング検出器CT(PCCT)を用いて、瘢痕関連の心室頻拍(VT)基質を評価した研究はほとんどない。
症例概要
心サルコイドーシスの49歳男性に、単形性VTに対するカテーテルアブレーションを施行した。術前のPCD-CTヨードマッピングでは、傍大動脈領域と右室流出路の間の中隔領域に限局した遅延ヨード造影(LIE)が認められた。電気解剖学的マッピングでは、LIEと一致する限局性の異常電位領域および分裂電位を伴う伝導ブロック線が確認された。右室流出路と左室流出路の両方から高周波アブレーションを行い、VT誘発性を消失させることに成功した。術後、ICDショックは発生していない。
考察
PCD-CTは信号検出能が向上し、空間分解能にも優れているため、解剖学的に評価が難しい領域のVT基質を可視化できる。心臓MRIが禁忌となる患者にとって、PCD-CTは有用な代替画像診断法となる。
要点
PCD-CTは空間分解能が高く、傍大動脈基質をより正確に検出できる。一方、心臓MRIでは心筋が薄く解剖学的構造が複雑なため、遅延ガドリニウム造影の検出が困難である。•PCD-CTは心臓MRIと同様の制約を受けないため、MRI非対応の植込み型除細動器を装着した患者にも使用でき、心室頻拍基質を正確に特定し、その位置を確認できる。