造影効果のない腎嚢胞160個を有する86人の患者を対象に、PCCTの仮想単色画像(VMI)のエネルギーレベルが腎嚢胞の見かけ上の造影効果、ひいては病変の分類に及ぼす影響を評価した。
低keVのVMIでは、嚢胞の見かけ上のCT値が大幅に上昇した。平均CT値は190 keVで4 ± 11 HUだったのに対し、40 keVでは36 ± 17 HUに上昇した。
その結果、低エネルギーでは顕著な偽増強が生じた。40 keVでは嚢胞の35%が造影効果の有無を判定しにくく、46%が明らかな造影効果ありと判定された。50 keVではそれぞれ29%と10%だった。60 keVでは9%が判定困難だったが、明らかな造影効果ありとされた嚢胞はなかった。
重要な点として、70~190 keVでは造影効果ありと分類された嚢胞はなかった。このことから、70 keV以上のVMIは、腎嚢胞の真の造影効果をより確実に評価できることが示された。
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PCCTの実践的なポイント:
低keV再構成画像はヨードの視認性を高めるのに有用だが、HUに基づく腎病変の性状評価に無批判に用いるべきではない。本研究では、腎嚢胞の造影効果を評価する際、70 keVがより安全な基準再構成画像と考えられる。
観察された誤分類は、嚢胞の大きさ、位置、患者のBMIに有意には左右されなかった。このことから、主な要因はVMIのエネルギー自体であることが示唆される。
撮像プロトコル:
臨床用PCCT、120 kVp、画質レベル68。三相検査。静脈相VMIは40~190 keVの範囲で、10 keV刻みで再構成した。造影効果なし(非造影画像と静脈相70 keV画像とのCT値差が10 HU未満)と確認された7 mm以上の嚢胞のみを解析した。
出典:Schade KA, Mergen V, Sartoretti T, Alkadhi H, Euler A. 嚢胞性腎病変の偽増強 ― フォトンカウンティング検出器CTの仮想単色画像が病変分類に及ぼす影響. Academic Radiology. 2023;30(Suppl 1):S305-S313. doi:10.1016/j.acra.2023.04.005. 2023年5月5日オンライン公開。