PCCT由来の仮想非造影(VUE)画像では、副腎腺腫の平均減衰値において、真の非造影(TUE)画像との有意差は認められなかった(9.2 ± 8.6 HU vs 7.3 ± 8.4 HU;P = .07)。
平均値は同程度だったものの、個々のVUE測定値には過大評価と過小評価の両方がみられ、従来の10 HU閾値をVUE画像に適用すると、36個中10個の副腎腺腫が誤分類された。
物質分解の結果は組織によって異なり、VUEでは筋肉と門脈の減衰値が過小評価された一方、脂肪の減衰値は過大評価された。このことから、副腎腺腫の評価においてVUE画像がTUE画像を確実に代替できるようになるには、さらなる技術的最適化が必要である。
論文にアクセス
図2. 副腎腺腫における光子計数検出器CT由来画像の症例。左列:軸位断の真の非造影(TUE)画像。中央列:仮想非造影(VUE)画像。右列:対応する造影剤増強後の門脈相画像。(A–C)左副腎に脂質豊富型腺腫がある79歳女性の画像。VUE画像では副腎の減衰値が過大評価され、10 HU閾値を用いて脂質豊富型腺腫と正しく分類することが困難になった。(D–F)左副腎に脂質豊富型腺腫がある65歳女性の画像。VUE画像による分類はTUE画像による分類と一致したが、VUE画像では減衰値がわずかに過大評価されていた。(G–I)左副腎に脂質乏少型腺腫がある79歳女性の画像。造影剤による増強効果が高い。VUE画像ではTUEの減衰値と比べて12 HUの過小評価となったが、それでも正しい分類が可能であった。
プロトコル
詳細 | 値 |
|---|
スキャナー | NAEOTOM Alpha |
撮影範囲 | 腹部/副腎 |
撮影モード | 真の非造影+門脈相 |
撮像モード | QunatumPlus |
管電圧 [kV] | 120 |
実効mAs [mAs] | 自動露出制御 |
IQレベル | 170 |
ピッチ | 0.8 |
回転時間 [秒] | 0.25–0.5 |
検出器スライスコリメーション | 144 × 0.4 mm |
スライス厚 | 2 mm |
マトリックス | 512 × 512 |
逐次近似再構成 | QIR 4 |
再構成 | 軸位断 |
物質分解 | 門脈相から再構成したVUE |
造影剤 | Accupaque 300 |
造影相 | 門脈相 |
主な結果
項目 | 主な所見 |
|---|
研究対象 | 患者29人、副腎腺腫36個 |
VUEとTUEの減衰値 | 9.2 ± 8.6 vs 7.3 ± 8.4 HU; P = .07 |
10 HUによる分類 | 腺腫36個中10個が誤分類 VUEを使用 |
脂質豊富型腺腫 | 23/36 |
脂質乏少型腺腫 | 13/36 |
組織による差 | VUEでは筋肉/門脈の減衰値が過小評価され、脂肪の減衰値が過大評価された |
臨床的意義 | 従来の10 HU閾値を用いる場合、現時点でVUEはTUEを確実に代替できない |
出典: Lennartz S, Schoenbeck D, Kröger JR, Borggrefe J, Niehoff JH. 光子計数CTの物質分解:副腎腺腫評価における初期経験。 Radiology. 2023;306(1):202–204. doi:10.1148/radiol.220919.