Jiaxu Wei, RT*; Xiao Li, MD*; Huilin Zhao, MD*; Shenghao Ding, MD**; Lang Liu, MD**; Xi Zhao, MD***; Yan Zhou, MD*
* 上海交通大学医学院附属仁済医院 放射線科(中国・上海)** 上海交通大学医学院附属仁済医院 脳神経外科(中国・上海)*** Siemens Healthineers、中国
2025-02-12
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既往歴
めまいが2か月以上続く71歳女性が、検査のため来院した。エネルギー積分型検出器(EID)CTで単純頭部CTおよびCT血管造影(CTA)を実施し、評価を行った。
診断
CTA画像では、左前大脳動脈(ACA)のA3部に、前上方を向く、頸部の狭い不整形の嚢状動脈瘤が認められた。頸部からドームまでの距離は約12.8 mm、ドームの最大幅は6.3 mmだった。動脈瘤頸部より近位の親動脈に高度狭窄が認められた。単純CT画像に異常所見はなく、くも膜下出血の徴候も認められなかった。
その後、患者は血管内治療を受けた。フローダイバーターの留置とバルーン血管形成術が成功裏に行われた。術後のデジタルサブトラクション血管造影(DSA)では、動脈瘤頸部付近に造影剤の残留が認められた。2日後、光子計数検出器(PCD)CTで超高解像度(UHR)スキャンモードを用いて実施した経過観察CTAでも、この造影剤の残留が確認された。ダイバーターの湾曲部は細く見えた。編み目の変形や親動脈の内腔異常を示す所見はなかった。
入院中に合併症はなく、介入から5日後に退院した。6か月後に経過観察CTAを予定した。
図1:EID CTで取得したCTA画像から作成したcVRT画像(図1a)では、左ACAのA3部に、前上方を向く、頸部の狭い不整形の嚢状動脈瘤が認められる。動脈瘤頸部より近位の親動脈には高度狭窄(矢印)も認められる。DSA画像(図1b)でもCT所見が確認できる。
図2:PCD CTで取得したUHR画像から作成したcVRT画像(図2a~2c)では、動脈瘤頸部付近に造影剤の残留が認められ、術後DSA画像(図2d、矢印)で確認された造影剤の残留と一致している。フローダイバーターの湾曲部は細く見える。支柱によるアーチファクトの影響を受けないcVRT画像で、ダイバーターの構造を詳細に確認できる。
解説
未破裂頭蓋内動脈瘤(UIA)は、多くの場合、無症状である。破裂すると脳実質内またはくも膜下腔に出血し、永続的な障害や死に至ることがある。DSAは脳動脈瘤検出のゴールドスタンダードとされ、頭蓋内循環の動態情報と形態情報の両方を提供する。しかし、比較的高価で、広く利用できるわけではなく、合併症のリスクも伴う。適切な治療計画を立てるうえで、CTAは動脈瘤の位置や形状、頸部とドームの大きさ、側副血行路の有無、親動脈の異常など、信頼性の高い診断情報を提供する。PCD CTの導入により、被ばく線量効率を維持しながら、空間分解能が高く画像ノイズの少ないUHR画像を日常的に取得できるようになった。本症例に示すように、0.2 mmで取得し、Hv89のシャープカーネルで再構成したUHR画像は、シネマティックボリュームレンダリング法(cVRT)を用いた最適な三次元(3D)画像の作成に適している。同じUHR画像を使って、血管解剖とフローダイバーターの詳細な構造を2Dおよび3Dで可視化できる。通常、支柱によって生じるアーチファクトの影響も認められない。線量効率を比較すると、PCD CTで0.2 mmのUHR画像を取得した際のCTDIvolは24.1 mGyであり、EID CTで1 mmの標準画像を取得した際のCTDIvolは45.9 mGyだった。本症例は、頭蓋内動脈瘤に対するフローダイバーター留置の評価において、PCD CTのUHRモードがもたらす改善の可能性を示しており、臨床現場で術後経過観察画像にUHR CTAを第一選択として用いることを後押しする。
検査プロトコル
スキャナー | NAEOTOM Alpha |
|---|
撮影範囲 | 頭部 |
撮影モード | UHRモード(Quantum HD) |
撮影長 | 168.6 mm |
撮影方向 | 尾側から頭側 |
撮影時間 | 2秒 |
管電圧 | 140 kV |
実効mAs | 99 mAs |
IQレベル | 125 |
線量変調 | CARE Dose4D |
CTDIvol | 24.1 mGy |
DLP | 454 mGy*cm |
回転時間 | 0.25秒 |
ピッチ | 0.85 |
スライスコリメーション | 120 x 0.2 mm |
スライス厚 | 0.2 mm |
再構成間隔 | 0.2 mm |
再構成カーネル | Hv89 |
造影剤濃度 | 400 mg/mL |
容量 | 55 mL + 生理食塩水30 mL |
注入速度 | 4.5 mL/s |
開始遅延時間 | 大動脈弓で100 HUに達した時点でボーラストラッキングをトリガー + 4秒 |
画像提供:上海交通大学医学院附属仁済医院 放射線科(中国・上海)