Adrian A. Marth, MD *,**; Daniel Nanz, PhD *; Reto Sutter, MD 2
* スイス筋骨格画像センター、Balgrist Campus AG、スイス・チューリッヒ* チューリッヒ大学バルグリスト大学病院、スイス・チューリッヒ
2024年4月5日
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経過
右足の持続する痛みが過去3か月続いていると訴える22歳の女性患者が、当院の整形外科を受診した。痛みは足関節内側にあり、長時間立っていると悪化した。診察では、後足部外反と距骨下関節の可動域制限が認められた。単純X線写真では、足根骨癒合を示唆する典型的な距骨嘴徴候が認められた。患者は抗炎症鎮痛薬による保存的治療を受け、良好な反応を示した。その後、手術を予定した。術前評価として癒合部の大きさ、位置、範囲を確認するためCT検査を実施した。フォトンカウンティングCT(PCCT)NAEOTOM Alpha®で超高解像度(UHR)スキャンモードを用いた。
診断
UHR CT画像では、距骨下関節の不整および狭小化が認められ、中部および後部の距骨下関節面の両方に及び、関節面積の50%を超えていた。隣接関節に変形性関節症を示す所見はなかった。距骨上縁中央部に骨性隆起(「距骨嘴」)が認められ、足根骨癒合に典型的な二次所見であった。距骨下関節に骨性架橋は認められなかった。非骨性癒合と診断された。患者には距骨下関節固定術が予定された。
図1:右足のPCCT検査におけるMPR画像(図1a~1c)およびcVRT画像(図1d~1e)では、中部および後部の距骨下関節面の両方に及ぶ距骨下関節の不整と狭小化が認められ、関節面は変形している(矢印)。骨性架橋の所見はなく、非骨性距踵骨癒合の診断が確認された。また、距骨頭上面に距骨嘴が認められる(矢頭)。cVRT作成に用いた入力画像は、非常にシャープなBr84カーネルと1024 × 1024の画像マトリックスを用いて、0.2 mmで再構成されている。
解説
足根骨癒合とは、2つ以上の足根骨が異常に先天性に連結した状態である。連結は骨性(骨性架橋)の場合と、非骨性(線維性/軟骨性架橋)の場合がある。治療法は保存的治療から手術まで多岐にわたる。治療計画には、癒合部の大きさや位置、変性変化の有無、他の癒合の有無、関節病変の程度をCTで評価することが重要である。
第一選択の治療は保存的治療で、足底アーチサポート、ギプス固定、非ステロイド性抗炎症薬を用いる。難治例では、隣接関節に高度な変性があり禁忌となる場合を除き、手術を行う。関節鏡下または直視下で、追加の介在材料を使用して、あるいは使用せずに切除できる。ただし、複数の癒合がある場合は、正常な機能予後が得られる可能性が低いため、個別に切除すべきではない。関節面積の50%を超えて病変が及び、後足部外反の程度が大きい場合は、関節固定術が望ましい。距骨下関節癒合において中足部関節に変形性関節症の所見がある場合は、距骨下関節固定術ではなく三関節固定術が適応となる。
本症例では、距骨下関節面積の50%を超えて病変が及び、隣接関節に変形性関節症の所見がないため、距骨下関節固定術が適応となる。UHR画像で明瞭に描出されるCT所見は、手術計画において重要な役割を果たす。この若年患者に適用した放射線量は低い(1.3 mGy)にもかかわらず、高い空間分解能と低い画像ノイズが得られている。これは、UHRモードでは検出器開口部を狭める追加のコームやグリッドを用いず、120 × 0.2 mmの細いコリメーションを適用するためであり、線量効率を損なわずに空間分解能が向上する。さらに、PCCTでは電子ノイズが除去され、改良型モデルベース逐次近似再構成法(Quantum Iterative Reconstruction、QIR)が適用されることで、画像ノイズがさらに低減される。その結果、UHR画像はシネマティックレンダリングによる3D画像の作成にも使用でき、医師間および医師と患者間のコミュニケーションを促進する。空間分解能の向上と画像ノイズの低減を組み合わせることは、日常診療における筋骨格画像診断に大きな利点をもたらす。
検査プロトコル
スキャナー | NAEOTOM Alpha |
|---|
撮影範囲 | 右足関節 |
スキャンモード | UHRモード(Quantum HD) |
撮影長 | 118.3 mm |
スキャン方向 | 頭尾方向 |
撮影時間 | 2.9秒 |
管電圧 | 120 kV |
実効mAs | 16 mAs |
線量変調 | CARE Dose4D |
CTDIvol | 1.3 mGy |
DLP | 17.6 mGy*cm |
回転時間 | 0.5秒 |
ピッチ | 0.85 |
スライスコリメーション | 120 x 0.2 mm |
スライス厚 | 0.2 mm |
再構成間隔 | 0.1 mm |
再構成カーネル | Br84 |
再構成マトリックス | 1024 x 1024 |
画像提供:スイス筋骨格画像センター、Balgrist Campus AG、スイス・チューリッヒ